環境性能割の廃止とEV・PHEVの重量課税とは?2026年の自動車税制の変更を解説

環境性能割の廃止とEV・PHEVの重量課税とは?2026年の自動車税制の変更を解説

※本記事は、広告およびアフィリエイトリンクを含まない解説です。公的機関の公開資料をもとにまとめています。

2026年4月1日から、車を買うときに課税されていた「環境性能割」が廃止され、「自動車税種別割」は「自動車税」に名前が変わりました。同時に、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)に対して、車両重量に応じた一定の負担を求める新制度が令和10年(2028年)5月1日から導入されます。自動車重量税のエコカー減税も、減免の基準を引き上げたうえで2年間延長されます。

目次

この記事の要点

  • 環境性能割は2026年3月31日をもって廃止されました。すべての車の税金が安くなったのではなく、購入時の課税項目が1つ消えた制度変更です。
  • 2026年4月1日から自動車税種別割は「自動車税」、軽自動車税種別割は「軽自動車税」に名称変更されました。課税される金額そのものは変わりません。
  • 自家用のEV・PHEV乗用車には、令和10年5月1日以後に受ける車検から、車両重量に応じた特例分が重量税として徴収されます。
  • エコカー減税の減免区分は2026年5月1日と2027年5月1日に段階的に引き上げられます。今と同じ軽減を当てている車も、対象外になる場合があります。

先に結論

ここだけ先に

環境性能割の廃止は、購入時の負担を減らす変更です。一方、EV・PHEVのオーナーには今後、重さに応じた新たな負担が増えます。いま確定しているのは制度の方向性と施行日(令和10年5月1日)だけで、具体的な税率は令和9年度の税制改正で決まります。

「廃止」と「負担が増える」は別の話です。環境性能割が廃止されても、自動車税・軽自動車税・自動車重量税・自賠責保険料という基本的な税と保険料は、そのまま残ります。

1. 環境性能割は2026年3月31日をもって廃止された

環境性能割は、車の取得時(新規登録・取得)に一度だけ課税される税金でした。燃費性能や排出ガス性能に応じて税率が変わり、電気自動車・燃料電池自動車・プラグインハイブリッド車・天然ガス車は非課税でした。

令和8年度の税制改正において、環境性能割は令和8年3月31日をもって廃止されました。廃止的法律案は国会に提出されており、その趣旨には「自動車の取得及び保有に係る国民の税負担の軽減を図るため」と書かれています。つまり、購入時の負担を減らすことが目的な改正です。

廃止前の環境性能割の税率

廃止前の環境性能割は、燃費性能と排出ガス性能に応じて、次の税率で課税されていました。

区分環境性能割消費税主な対象
電気自動車等非課税非課税EV・燃料電池自動車・PHEV・天然ガス車
2030年度基準 95%達成1%1%登録車
2030年度基準 80%達成2%2%登録車
上記以外3%2%登録車の上限税率

この表は2025年4月1日から2026年3月31日までの制度です。2026年4月1日以降、環境性能割として課税される分はありません。

用語の確認:環境性能割は2026年3月31日をもって廃止され、2026年4月1日以降に取得する車にも、この税金としての課税はされません。

2. 「自動車税種別割」は「自動車税」に変わった

環境性能割の廃止に伴い、保有している場合に課税されていた「自動車税種別割」の名称は、2026年4月1日から「自動車税」に統一されました。軽自動車税種別割も「軽自動車税」に改めました。

これは名称の変更であって、税率の変更ではありません。毎年4月1日に課税されること、自家用乗用車が排気量とWLTCモードの主要内容に応じた税率で計算されることも、これまでと同じです。

名称変更で何が変わるか

申告書や取引書類で「種別割」と書かれていた部分が「自動車税」になります。 過去の資料や行政書式の記載が今までと違うように見える場合、改正後の名称として読んでください。

3. EV・PHEVに車両重量に応じた負担が新設される

令和8年度の税制改正では、「利用段階における異なる動力源間の税負担の公平性」を実現するため、自家用の乗用自動車のうち電気自動車とプラグインハイブリッド車について、車両重量に応じた一定の負担を求めることとされました。

制度の概要

  • 対象は自家用の乗用自動車のうち、電気自動車とプラグインハイブリッド車です。二輪の小型自動車は対象外です。
  • 法定の特例分として、自動車重量税に上乗せし、車検時に徴収します。
  • 施行日は令和10年5月1日です。令和10年5月1日以後に受ける車検から適用します。
  • 新車の新規検査分(当初3年分)は特例分を免除します。すでに持っている車については、施行日以後最初に受ける継続車検分を免除する経過措置が設けられています。
  • 異なる動力源間の税負担の公平性を図る趣旨で設けることから、この特例分にはエコカー減税を適用しません。
  • 具体的な税率は令和9年度の税制改正で決まります。その水準については、EV以外の自動車における現行の平均税率と同水準とすることを基本とするとされています。

未確定の情報:具体的な税率は2026年10月の時点では決まっていません。EV・燃料電池車の新車に対する重量課税の税率も含め、令和9年度の税制改正の内容を確認する必要があります。

現時点では、「いくら増えるか」よりも、「取得時の課税がなかったEVに、令和10年5月から車両重量に応じた負担が発生する」という枠組みの把握が重要です。

また、総排気量の値を持たない電気自動車については、令和10年度以降に新車新規登録を受ける車両に対して、車両重量に応じた課税方式を導入する方針も示されています。

4. エコカー減税の減免基準が段階的に引き上げられる

自動車重量税のエコカー減税は、2035年までに乗用車の新車販売に占める電動車の割合を100%にする政府目標を踏まえ、減免区分の基準となる燃費基準の達成度を引き上げたうえで2年間延長されます。適用期限は令和10年4月30日までです。

乗用車の減免区分の変化

区分の種類2026年5月1日から2027年4月30日まで2027年5月1日から2028年4月30日まで
電気自動車等初回・2回目車検ともに免税初回・2回目車検ともに免税
2030年度基準 125%達成初回・2回目車検ともに免税初回・2回目車検ともに免税
2030年度基準 105%達成75%軽減75%軽減
2030年度基準 100%達成50%軽減75%軽減
2030年度基準 95%達成25%軽減50%軽減
2030年度基準 85%達成25%軽減25%軽減
2030年度基準 80%達成本則税率25%軽減

特に、2030年度基準100%達成の区分は、2027年5月1日から50%軽減から75%軽減へ引下げられます。一方、基準80%達成の区分は、2027年5月1日から本則税率(軽減なし)から25%軽減になります。

※ 上の表は、令和8年度の税制改正資料に記載された各期間時点の区分です。2029年5月の引き上げにあたっては、激変緩和措置を講じるとされています。 実際の軽減区分は、車検証や販売店の資料で確認してください。

5. いま確認しておくべきこと

制度が変わると分かっている段階で、購入判断や5年間の費用比較に使うなら、次の3点を確認しておくと、未確定の情報を確定情報として扱わずに済みます。

  1. 検討している車が、2030年度基準の達成度でどの区分に該当するか。2027年5月の引き上げで軽減が外れる可能性があります。
  2. エコカー減税の軽減が、いつからどの期間に変わるか。新規検査の分は2回目の車検で効果が薄くなるため、3年目以降の費用と車検証の有効期間が満了になる時期が重なります。
  3. EV・PHEVの購入を検討している場合は、令和10年5月1日以降に徴収される重量課税分。税率が確定していない段階では、5年間の総費用を未確定額を含む試算として扱ってください。

自動車税と重量税の基本の考え方については、「車の税金はいくら?」でまとめています。維持費全体の見積り方は「車検代はいくら?」で説明しています。

まとめ

2026年4月の税制改正には3つの変更が重なります。環境性能割という取得時の税金の廃止、自動車税と軽自動車税の名称変更、そしてEV・PHEVへの重量課税とエコカー減税の基準引き上げです。

環境性能割が廃止されたからと、汽车の総負担がそのまま安くなるわけではありません。基本的な税と保険料は残りますし、EV・PHEVについては今後、重さに応じた負担が増える方向に進んでいます。

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出典と確認日

以下の公的機関の公開資料をもとに記載内容を確認しました。確認日は2026年10月21日です。

  • 衆議院「自動車税及び軽自動車税の環境性能割並びに自動車税及び軽自動車税の種別割の税率の上乗せに係る特例の廃止に関する法律案」(https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g21905003.htm)
  • 財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」(https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_gaiyou.htm)
  • 経済産業省「令和8年度税制改正 車体課税の抜本見直し」(https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/automobile/tax/R8FY_tax.pdf)
  • 環境省「令和8年度税制改正における自動車関係諸税(車体課税)の結果について」(https://www.env.go.jp/content/000382905.pdf)
  • 国土交通省「令和8年度 物流・自動車局税制改正事項」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001975850.pdf)
  • 国土交通省「令和8年度税制改正の大綱(抜粋)」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001993968.pdf)
  • 東京都主税局「自動車税」(名称変更と環境性能割廃止の確認)(https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shitsumon/automobiles/j)

未確認:EV・PHEV特例分の具体的な税率、令和10年度以降の自動車税と軽自動車税の制度設計、2029年5月の引き上げ時におこなわれる激変緩和措置の内容は、いずれも令和9年度の税制改正での結論を待つ必要があります。本文は、制度の方向性と施行日を確認できた範囲に記載しています。

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この記事を書いた人

愛知県のいわゆる「トヨタ村」在住。普段は大手メーカーの本社で働きながら、車の維持費・税金・ローン・購入費用を初心者向けに発信しています。自身も輸入車のあるカーライフを楽しんでおり、公式情報や公的情報を確認しながら、車に詳しくない人でも判断しやすい内容を心がけています。

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