※本記事はアフィリエイト広告を含みません。国土交通省の自動車検査制度に関する公開情報に基づく解説です。
車検で「OBD点検」や「OBD検査」という言葉を見かけたものの、具体的に何が違うのかがわかりにくく、迷うケースが多く、制度も逐年変わっているため、国土交通省が公開している一次情報(確認日:2026年10月21日)にもとづき、OBD点検・OBD検査・OBD確認という3つの言葉の意味、制度が始まった時期、検査対象となる車の条件、合否がどう判定されるのかをわかりやすく整理します。
この記事の要点
- 「OBD点検」と「OBD検査」は別の制度です。点検は法定点検(12か月ごと)、検査は継続検査(車検)の一部です。
- 「OBD確認」は自動車特定整備事業者が任意で行う確認です。事前に確認して合格すると、検査コースでのOBD検査が原則省略されます。
- OBD検査の開始は国産車が令和6年10月1日、輸入車が令和7年10月1日です。
- 検査の対象は、令和3年10月1日(輸入車は令和4年10月1日)以降に新型車として型式指定を受け、車検証に「OBD検査対象」と記載された車です。ただし型式指定から2年未満、または初度登録から10か月未満の期間は対象外になります。
- 合否は「特定DTC(故障コード)が記録されていないか」など複数の条件で、検査用スキャンツールと検査システムにより自動的に判定されます。
OBD点検は「法定点検」、OBD検査は「車検の一部」、OBD確認は「自動車特定整備事業者が任意で行う事前確認」です。OBD検査は国産車が令和6年10月1日から、輸入車は令和7年10月1日から実施されており、対象は「OBD検査対象」と車検証に記載された、令和3年10月以降の新型車です(輸入車は令和4年10月以降)。合否は、故障を表す特定DTCが記録されていないかどうかや、MIL(警告灯)の状態などで、検査用スキャンツールを用いて判定されます。不合格になった場合は、車検を通すために修理が必要です。
OBD点検・OBD検査・OBD確認はそれぞれ何か
「OBD」とは、車載式故障診断装置(On-Board Diagnostics)の略称です。最近の自動車には、車両の電子制御装置の状態を自分で監視して記録するOBDが搭載されています。OBD点検・OBD検査・OBD確認は、いずれもこのOBDの情報を読み取って、電子制御装置の故障の有無を確かめるものです。車検で行う「検査」、法定点検に組み込まれた「点検」、整備工場が事前に行う「確認」という位置づけになり、混同されやすい言葉です。
| 項目 | OBD点検 | OBD検査 | OBD確認 |
|---|---|---|---|
| 制度上の位置づけ | 法定点検(自動車点検基準) | 継続検査(車検)の一部 | 自動車特定整備事業者の任意サービス |
| 開始時期 | 令和3年10月1日 | 国産車:令和6年10月1日 輸入車:令和7年10月1日 |
OBD検査の実施に伴い |
| 対象車両 | OBDを搭載する全ての自動車(大型特殊自動車・被牽引自動車・二輪自動車を除く) | 令和3年10月1日(輸入車は令和4年10月1日)以降の新型車 | OBD検査対象車 |
| 実施頻度・タイミング | 12か月ごと | 完成検査時・持込検査時 | 完成検査時以外での適否の確認 |
| 実施方法 | スキャンツールを接続し、故障コードがあれば整備する | 検査用スキャンツールで読み出し、検査システムが自動判定 | OBD検査用サーバーに接続して確認 |
上の内容は、国土交通省が公開している「『OBD点検』と『OBD検査』の違い」の説明資料、および整備事業者向け説明ページにもとづく整理です。正確な定義は、「細目告示別添124 継続検査等に用いる車載式故障診断装置の技術基準」などの法令で確認してください。
OBD検査の対象となる車の条件
OBD検査の対象になるのは、次の条件を満たす自動車です。
- 対象の時期:令和3年10月1日(輸入車は令和4年10月1日)以降に型式指定を受けた新型車
- 車検証の記載:車検証の備考欄に「OBD検査対象」と記載されている
- 除外される車:大型特殊自動車・被牽引自動車・二輪自動車、および並行輸入自動車、輸入自動車特別取扱制度(PHP)による取扱いを受けた自動車
加えて、次の2つの期間はOBD検査の対象外になります。
- 型式指定の日から2年が経過していない車両
- 初度登録(新規登録)から10か月が経過していない車両
つまり、車検証に「OBD検査対象」と記載されていても、新車に近い時期の一定期間は対象外です。判定の考え方は、車検証に記録された「OBD検査開始年月日」以降であり、かつ新規登録の前月末から10か月が経過しているかどうかです。車検証の「OBD検査対象」と「OBD検査開始年月日」の記載を確認すると、自分の車が対象かどうかがわかります。
OBD検査はどの装置を対象にするのか
OBD検査の対象は、車両に搭載された電子制御装置のうち、国土交通省が定めた次の装置です。なお、今後の保安基準の策定状況等により、追加される可能性があります。
| 装置の種類 | 対象となる装置 |
|---|---|
| 排出ガス対策装置 | 排出ガス発散防止装置 |
| 安全系装置 | 制動装置(ABS、ESC、EVSC、BAS、AEBSなど)・車両接近通報装置(AVAS)・自動運行装置・かじ取装置(高度運転者支援ステアリングシステム) |
合否はどのように判定されるのか
OBD検査は、検査用スキャンツールを車両に接続し、車両から読み出した特定DTC(故障コード)などをもとに、OBD検査システムが自動で合否を判定します。排ガス対策装置と安全系装置では判定基準が異なり、次の条件を満たす必要があります。
| 装置 | 適合条件 |
|---|---|
| 排出ガス対策装置 | ・OBDに必要な電圧が確保されている ・MIL(排ガスに係る警告灯)信号がONでない ・レディネスコードが1つ以上完了である ・特定DTCが検出されない ・通信成立性が確保されている |
| 安全系装置 | ・特定DTCが検出されない |
排ガス対策装置と安全系装置のすべてが適合の場合に「OBD検査適合」となります。MILがONの状態や、特定DTCが記録されている状態は、そのままでは合格になりません。
OBD検査で不合格になったらどうするか
OBD検査で不合格になった場合、修理をしなければ車検には通りません。地方運輸局長などの認証を受けた整備工場で修理を行う必要があります。OBD検査は、自動ブレーキや車線維持機能といった電子制御された装置の故障によって、期待される機能が果たされなくなることを防ぐための制度です。したがって、故障コードが記録された状態を放置せず、事前に修理しておくことが確実です。
まとめ
- OBD点検=法定点検、OBD検査=車検の一部、OBD確認=自動車特定整備事業者の任意サービス。3つで意味が違います。
- OBD検査は国産車が令和6年10月1日から、輸入車は令和7年10月1日から実施。対象は「OBD検査対象」の記載がある、令和3年10月以降の新型車(輸入車は令和4年10月以降)です。
- 合否は、特定DTCが記録されているかどうかや、MILの状態など、複数の条件をすべて満たすかどうかで判定されます。
- 自分の車が対象かどうかは、車検証の「OBD検査対象」の記載と、「OBD検査開始年月日」から確認できます。
出典(確認日:2026年10月21日)
- 国土交通省「OBD検査とは?(ユーザー向け)」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_OBD_user.html)
- 国土交通省「OBD検査を実施するにあたって(整備事業者向け)」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_OBD_company.html)
- 国土交通省「OBD検査関係法令・通達」(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_OBD_regulation.html)。細目告示別添124「継続検査等に用いる車載式故障診断装置の技術基準」を含む
- 国土交通省「点検整備の種類」(自動車点検基準第2条のOBD点検について)(https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha/tenkenseibi/tenken/t1/t1-2/)
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※OBD検査の対象時期や対象装置は、令和6年10月の情報に基づくものです。制度は今後も見直される可能性があるため、車検の前に、実際の対象範囲や合否の扱いを整備工場に確認してください。
