車検で不合格になったらどうする?当日再入場と再検査の手続き・費用

車検で不合格になったらどうする?当日再入場と再検査の手続き・費用

※本記事はアフィリエート広告を含みません。国土交通省・自動車技術総合機構(NALTEC)・e-Gov法令検索の一次情報をもとにした解説です。確認日:2026年10月31日。

車検で「不合格」と判定されると、その日のうちに運転できるとは限りません。自動車技術総合機構(NALTEC)によると、不適合になった箇所を直して検査ラインへ戻す「再入場」は、1回の申請につき再入場2回まで(初回込み3回まで)と決められています。当日の審査時間内に適合しなければ、翌日以降は「再申請」になり、新たに検査手数料が必要です。

このページでは、車検の不合格から再検査で通すまでを、①当日再入場、②翌日以降の再申請、③限定自動車検査証を使う、の3本立てで整理します。根拠は道路運送車両法と自動車技術総合機構の公表ページです。継続検査で合格した場合の車検証の扱いや、「不合格のあいだ運転していいのか」という疑問の根拠まで、条文と公表された手数料表で確認します。

情報の確認方法:道路運送車両法(e-Gov法令検索)、独立行政法人自動車技術総合機構(NALTEC)の「再入場(不適合の場合)」「自動車検査手数料について」「よくある質問」、国土交通省「自動車検査登録総合ポータルサイト」の検査概要・検査と点検・整備・Q&Aをもとにした解説です。金額・回数・期間はいずれも2026年10月31日時点の確認値です。実際の受検経路や車の状態によって変わる部分は本文に明記しています。購入・契約の判断に使うものではありません。

目次

この記事の要点

  • 当日中の「再入場」は初回込み3回まで。再入場は2回が限度で、不適合箇所を整備・調整すれば同じ日のうちに再審査できます(NALTEC)。
  • 当日3回で適合しなければ「再申請」になります。翌日以降の再申請では検査手数料が新たに必要で、整備費用も別に発生します。
  • 継続検査の不合格で交付される「限定自動車検査証」は、不適合箇所が示された書面です。有効期間は発行日を含めて最大15日間で、この期間内に再申請しないと全項目を審査し直します。
  • 検査手数料(継続検査・持込検査・普通自動車)は令和8年4月1日以降で合計2,600円(国600円+機構2,000円)。当日中に直せるかどうかで費用が変わります。
  • 検査で不合格になると、その自動車検査証は返付されません。返付を受けるまで運行はできず、違反した状態での運行には罰則規定があります(道路運送車両法)。
  • 検査は保証ではありません。検査は、その時点で基準に適合しているかを確認する手続きです。

先に結論

ここだけ先に

車検の不合格で最初に行うべきことは、不合格の理由を直すことです。ヘッドライトやウインカーの電球切れ、タイヤの摩耗、前面窓ガラスへの着色濃度の高いフィルム貼付、マフラー変更による騒音増大など、NALTECが挙げる典型的な原因があります。それらを直したうえで、当日の審査時間内に再入場すれば、初回を含め3回まで審査を受けられます。当日中に間に合わなければ翌日以降は再申請となり、新たに検査手数料が必要です。限定自動車検査証があれば、不適合部位だけの審査に切り替えられます。検査で不合格になった日は、車検証が返付されず、運行の資格も止まります。運転できるかどうかは、新しい車検証の交付を待って判断します。

再入場:その日のうちに直すなら3回まで

自動車検査で「不適合」(不合格)になった場合、NALTECの手順説明は次のとおりです。まず不適合になった箇所を点検・整備し、保安基準に適合する状態に戻します。そのうえで検査コースに戻り、当日の審査時間内に限り再審査を受けられます。再場内のときは、検査ラインの入口にある「申告ボタン」か電話を使い、検査官に再入場である旨を伝えてください。

区分回数・期間検査手数料確認先
当日再入場(不適合箇所を整備して再審査)再入場2回まで。初回込み3回まで。当日の審査時間内に限る当日再入場では新たな検査手数料は不要。整備費用は別途自動車技術総合機構「再入場(不適合の場合)」
再申請(3回で適合せず、翌日以降に申請)翌日以降。新規の申請として扱う新たに検査手数料が必要同上
限定自動車検査証を使う再検査限定自動車検査証の有効期間は発行日を含めて最大15日区分の案内があります(下記)同上

ポイントは「当日中に直すか、翌日以降に持ち越すか」で費用が変わることです。当日の再入場は検査手数料を追加で払う必要がありませんが、不適合箇所の整備そのものは有料です。範囲が広いほど整備費用が増えるため、原因が分かっているうちに直した方が費用も時間も抑えられます。

当日3回で適合しなかった場合は「再申請」

1回の申請に基づく再入場は2回が限度で、初回を含めて3回までに適合しなかった場合は、再申請をして受検する必要があります。この場合、新たに検査手数料が必要です。不合格を1回で直せなかったときの負担は、当日中の追加費用ではなく、再申請の費用に変わる、という点が重要です。

限定自動車検査証:不適合箇所だけを示してくれる書面

NALTECのよくある質問には「限定自動車検査証」の説明があります。これは、継続検査などの際に当該自動車が保安基準に適合しない場合に交付される書面で、不適合となった部分が示されます。限定自動車検査証を受け取った自動車は、示された不適合部分を整備し、再度検査を受けてください。検査では当該限定自動車検査証を提出し、整備された部分が基準に適合することが検査官によって確認されると、有効期間を更新した自動車検査証が返付されます。

交付されない検査もある

限定自動車検査証は、新車の新規検査および予備検査、構造等変更検査などでは交付されません。継続検査で不合格になった場合に交付される制度だと理解しておくと混乱を避けられます。

有効期間は最大15日。それを越えると全項目を審査し直す

限定自動車検査証の有効期間は、発行日を入れて最大15日間です。有効期間内に再申請を行わない場合は、改めて全ての審査を行います。この場合の検査手数料は、NALTECの公表ページでは普通車が2,300円、小型車が2,200円、小型二輪が1,800円、大型特殊が1,900円と案内されています(2026年10月31日時点)。

指定整備工場なら機構の検査場に再持参しなくてよい

限定自動車検査証を指定整備工場に持参して整備と検査を依頼し、「限定保安基準適合証」を発行してもらえば、自動車技術総合機構の検査場に自動車を持ち込み再度検査を受ける必要はありません。継続検査の場合、最寄りの運輸支局等に限定自動車検査証と限定保安基準適合証を提出すれば、現車を持ち込む必要がありません。この場合の検査手数料は、NALTECの公表ページでは普通車・小型車が1,600円、小型二輪・大型特殊が1,200円と案内されています。

自分で整備したり、認証整備工場(指定工場ではない一般整備工場)で整備する場合は、運輸支局等に車を持ち込み、不適合だった箇所の審査を受けます。この場合の検査手数料は、同じ公表ページで普通車・小型車が1,800円、小型二輪・大型特殊が1,400円と案内されています。いずれの場合も、整備工場に支払う整備・検査費用は別途です。

検査手数料の金額:令和8年4月1日以降の一覧

自動車技術総合機構が公開している「令和8年4月1日以降の自動車検査手続きに関する手数料一覧」の中の、継続検査の分です。検査を受ける場所(持込検査かOSS申請か)によって金額は変わるため、目安としてお使いください。

申請種別車種国自動車技術総合機構合計
継続検査(OSS申請を除く・持込検査)普通自動車600円2,000円2,600円
継続検査(OSS申請を除く・持込検査)小型自動車600円1,900円2,500円
継続検査(OSS申請を除く・持込検査)小型自動車(二輪)600円1,500円2,100円
継続検査(OSS申請を除く・持込検査)大型特殊自動車600円1,600円2,200円
継続検査(OSS申請を除く・持込検査)軽自動車2,100円400円2,500円
継続検査(OSS)普通自動車1,700円400円2,100円
継続検査(OSS)小型自動車(二輪を除く)1,700円400円2,100円
継続検査(OSS)大型特殊自動車1,700円―1,700円
継続検査(OSS)軽自動車1,700円400円2,100円
保安基準適合証の提出(継続検査)普通自動車1,450円400円1,850円
保安基準適合証の提出(継続検査)小型自動車(二輪を除く)1,450円400円1,850円
保安基準適合証の提出(継続検査)大型特殊自動車1,450円―1,450円
保安基準適合証の提出(継続検査)軽自動車1,450円400円1,850円

表の「国」は国庫に納める分、「自動車技術総合機構」は検査や審査にかかる機構の費用です。検査手数料は検査の費用であって、点検・整備の費用は含まれていません。国土交通省の説明でも、点検整備料金は機能の劣化の具合や故障個所の多少によって変わり、検査料金に含まれるものではないとされています。

なお、限定自動車検査証を使う再検査の金額は、上表とは別の区分で案内されています。NALTECの「再入場(不適合の場合)」ページと手数料一覧(その1・その2)は申請種別の切り方が異なるため、実際の金額は受検先の検査場・指定整備工場で確認するのが確実です。

法令の根拠:不合格だと車検証は返付されない

再検査のルールは検査場の運用ではなく、道路運送車両法という法令に遡ります。e-Gov法令検索で公開されている道路運送車両法第62条(継続検査)は、次のように定めています。

第62条第1項 登録自動車又は車両番号の指定を受けた検査対象軽自動車若しくは二輪の小型自動車の使用者は、自動車検査証の有効期間の満了後も当該自動車を使用しようとするときは、当該自動車を提示して、国土交通大臣の行う継続検査を受けなければならない。この場合において、当該自動車の使用者は、当該自動車検査証を国土交通大臣に提出しなければならない。

第62条第2項 国土交通大臣は、継続検査の結果、当該自動車が保安基準に適合すると認めるときは、当該自動車検査証に有効期間を記録して、これを当該自動車の使用者に返付し、当該自動車が保安基準に適合しないと認めるときは、当該自動車検査証を当該自動車の使用者に返付しないものとする。

出典:道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第62条。e-Gov法令検索(確認日:2026年10月31日)。

つまり、不合格の判定は「車検証の有効期間が残っているかどうか」とは別の問題です。有効期間が残っていても、基準に適合しないと認められれば車検証は返されません。返付を受けるまで、その自動車を運行の用に供することはできません。

国土交通省の「自動車の検査と点検・整備」の解説では、「自動車は、保安基準に適合しているかについて検査を受け、有効な自動車検査証の交付を受けなければ、運行の用に供してはならない」(第58条)とされ、違反した状態で運行した場合は6月以下懲役又は30万円以下罰金(第108条第一号)と明記されています。保安基準不適合の状態等にある使用者には整備命令が発令される場合があり(第54条第一項)、命令違反には50万円以下の罰金(第109条第七号)が科されます。

限定自動車検査証についても、NALTECのよくある質問には「限定自動車検査証が交付された場合であっても、自動車検査証の有効期間を経過した自動車は、運行することができません」(関係条文:第71条の2)と書かれています。再検査で合格して新しい車検証を受け取るまでのあいだも、運行の可否は車検証の有効期間が基準になります。

不合格になりやすい箇所:NALTECが挙げる例

検査の基準は「道路運送車両の保安基準」で、実際の判定は自動車技術総合機構の「審査事務規程」によります。NALTECのよくある質問では、次のような状態が「検査で不合格になる」と説明されています。

  • 使用過程で部品が劣化し、ヘッドライトやウインカーなどの電球が切れている状態
  • タイヤが摩耗している状態
  • 使用者が自ら部品を交換するなどして、前面窓ガラスへ着色濃度の高いフィルムを貼付している状態
  • マフラー変更により騒音が増大している状態

前の2つは「劣化又は摩耗により生ずる状態」、後ろの2つは「不正改造」に該当します。この区別は重要です。NALTECのFAQでは、整備命令の取扱いがこの2つで異なるとされ、不正改造の場合は自動車の前面ガラスに不正改造車である旨を表示するステッカーが貼付され、保安基準に適合することが確認されるまでステッカーを剥がせません。つまり、後者は「直してもすぐには合格にならない」ケースです。

検査当日に不合格になる危険を減らすには、事前に日常点検で灯泡やタイヤの状態を確認しておくのが実用的です。日常点検の内容を確認していない場合は、同サイトの車の日常点検は何をする?初心者向け5分チェックリストもあわせてご覧ください。

ユーザー車検と指定整備工場で変わる部分

国土交通省のQ&Aには「ユーザ車検」の説明として、検査が不合格になったときの方針が明記されています。検査が不合格になれば、ユーザ自身が点検整備をやり直して再度検査を受けるか、指定整備工場等で整備して検査を受けることが必要、というものです。

検査する場所については、国土交通省の検査概要に「検査を受ける場所は、運輸支局等構内の独立行政法人自動車技術総合機構の検査場で全国に93ヶ所あります」とあります。継続検査は有効期間の切れる2カ月前から受けることができ、運輸支局等の検査場で受検する場合は事前予約が必要とされています。

一方、NALTECのFAQによると、指定整備工場(いわゆる民間車検場)は、点検・整備後の検査により「保安基準適合証」および「保安基準適合標章」を交付でき、これらを交付された自動車は、継続検査において検査法人の検査場へ提示する必要がありません。限定自動車検査証を提示して整備し、限定保安基準適合証を発行する場合も、機構の検査場へ再持参は不要です。

点ユーザー車検(検査場へ持ち込む)指定整備工場(民間車検場)
当日再入場当日審査時間内に再入場2回まで(初回込み3回)検査・整備を委託する形。限定保安基準適合証の発行で再持参不要
限定自動車検査証継続検査の不合格で交付。不適合箇所が示される指定整備工場が整備・検査し、限定保安基準適合証を発行
検査手数料持込検査 2,600円(普通自動車・OSS申請を除く)適合証の提出 1,850円(普通自動車・継続検査)
費用の形整備は自分で手配。整備費用は別途整備・検査費用を工場に支払う。金額は状態により変動

「どこで車検を受けるか」の比較は別記事にまとめました。車検はどこで受ける?ディーラー・車検専門店・整備工場・ユーザー車検を比較もあわせてご覧ください。

よくある質問

Q. 不合格になった当日、もう一度検査してもらえますか?

A. できます。当日の審査時間内に限り、1回の申請につき再入場2回まで(初回込み3回まで)審査を受けられます。再場内の際は検査ラインの入口の申告ボタンか電話で検査官に伝えてください。3回までで適合しない場合は再申請となり、新たに検査手数料が必要です。

Q. 再検査すると検査手数料は増えますか?

A. 当日再入場に検査手数料を追加で払う必要はありません。一方、翌日以降の再申請では新たに検査手数料が必要です。継続検査・持込検査・普通自動車で、令和8年4月1日以降の合計額は2,600円(国600円+機構2,000円)です。整備費用は別途かかります。

Q. 再検査で通したら、車検証の有効期間はどうなりますか?

A. 適合すると認められたとき、国土交通大臣はその自動車検査証に有効期間を記録して返付します(第62条第2項)。なお、限定自動車検査証の交付を受けた場合でも、車検証の有効期間を経過した自動車は運行できません(第71条の2)。

Q. 車検は2年間の保証ですか?

A. 保証ではありません。国土交通省のQ&Aでは「検査は、その時点で自動車が安全・環境基準に適合しているか否かを判断しているもの。今後2年間の安全を保証するわけではありません」と説明しています。検査と検査の間の管理は、使用者の点検整備による自己責任です。

Q. 検査を受けるときに税金も払うのですか?

A. 検査時に、自動車重量税の徴収と自動車損害賠償責任保険の確認および自動車税の納付確認が行われます。検査手数料とは別に、自動車重量税や自賠責保険料などの諸経費がかかります。

出典と確認日

以下のリンクはすべて、2026年10月31日(確認日時点)で公開されていたページです。

未確認(2026年10月31日時点):①車検証の有効期間が満了した後の継続検査の申請期限(規則上の期限)については、参照した一次情報ページでは確認できませんでした。②再検査の検査手数料は、NALTECの「再入場」ページと手数料一覧(その1・その2)で申請種別の区分が異なるため、金額の一部は受検先での確認が必要です。③自動車検査手数料以外の諸経費(自動車重量税・自賠責保険料など)の金額は、車種・所有状況・年度の税制によって変わります。

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